JR3社、優先者専用車両の導入を決定

Written on:4月 1, 2016
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配信元: 中京経済新聞(電子版) 2016年04月01日 15:24

鉄道在来線の各車両に設置されている優先席。その利用をめぐりトラブルが多発しているのを受けて、JR東海とJR西日本、JR九州の鉄道3社は1日、新たに優先者専用車両を導入すると発表した。これにより従来方式の優先席は廃止され、優先席を利用すべき乗客のための専用車両が登場する。

一部路線で始まった優先席の撤去作業

一部路線で始まった優先席の撤去作業

優先席は高齢者や身体障がい者だけでなく、けが人や妊婦、乳幼児連れなど、一時的に何らかのハンディキャップを持つ人にも利用されることが想定されている。

一方で、けが人や体調不良の乗客が若年層である場合、座席の利用をめぐり高齢者との間で口論となる事例が多数報告されている。この問題は、いわゆる 「ゆとり世代」 が社会に進出し始めた平成22年ごろから顕在化し、昨年はJR東海に寄せられただけでも2852件。前年に比べ6割も増加しており、各社で抜本的な対策が急がれていた。

発表によると各列車の中央部、またグリーン車を有する列車の場合はその前後のいずれかに優先者専用車両が設けられる。これにより従来の優先席に座ることが想定されない一般の乗客は、原則としてこの車両に乗車できないという。

もちろん利用者が多い場合には、専用車両の中であっても座席を確保できない乗客が発生しうる。この場合は乗客らが症状を互いに説明し、融通し合う道を探ることとなる。JR東海サービス相談室の寺西雄二室長は 「専用車両の乗客はみな、優先座席の利用を必要とする何らかの理由を有していることが前提となります。専用車両の登場により、見かけ上の年齢や風体だけで即座に口論が発生してしまうような状況は今後、大幅に改善されるはず」 と有用性を強調する。

同車両はJR東海の紀勢本線、身延線、飯田線、JR西日本の桜井線と関西空港線、JR九州の長崎本線、日豊本線、鹿児島本線、豊肥本線の計9路線で4月中に試験運用を開始し、今夏をめどに全線での導入を予定している。

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